第3章 Battle3 まず、生活の基盤を整えよう
「おぉ、あれは陰陽師になれるっていう……!?」
「うん、そうだよ」
「暗殺者にもなれるのか? 驚いたな……」
「なれるねぇ、好きなように姿を隠せるっぽいね」
今現在、シーフが姿を消して、戸惑っているのは剣士。
どう見ても、その姿を見て楽しんでる様子だ。
泣きそうになりながら、必死に剣を振り回す姿は何処か哀れに感じる。
いっその事、倒して終わらせればいいのに。
――やっぱり、行こうかな。
鶴丸も連れてったら、団体戦になるし。
僕が剣士で、鶴丸は魔法使い。
戦力的には、十分だ。
「ちょっと行ってくる。残り一団体様みたいだし」
「ちょ、恵ちゃん?」
「なら、俺も付き合うさ」
「あぁ、もう!」
僕は、前に進み出る。
司会者っぽい男の人は、僕の顔を見るなり目を丸くした。
「あ、あの?」
「参加します」
「いや、お嬢ちゃんにはちょっと……」
すると、司会者の人は僕の後ろを見て、にっこり笑った。