第21章 ただいま現世
暫くして、お金が溜まった所で僕らはみっちゃんがギルドハウスを作り終えるまで、ゲーム内のイベントをすることにした。
どうやら、長谷部と弟は、このイベントで遊んでたようだ。
綺麗な貝殻を集めて交換すれば、季節限定の水着がもらえるんだって。
長谷部と弟は、自分の分と僕の分だけ確保してくれたらしい。
でも、他の刀剣のぶんが確保してない。
そういうわけで、僕らの目標は全員分の水着を集めること。
「おい、延々とこれを拾い続けるのか!?」
「はい、そうです。どうやら、最強装備を持ってないと勝てないそうで」
「レベルが追い着いててもか?」
「はい。非常に強いのと、時間制限もあるので」
「このゲーム、装備ゲーだから」
装備がしょぼくてもどうにかなるのは、僕らの実力があるせいだ。
でも、しょぼいNPC装備じゃ、どんなに頑張ってもかなわない。
僕らは、手分けして貝殻探しという極めて地味な作業をやり続けた。
でも、ゲームと言えども炎天下。
熱くてどうにかなりそう。
「熱い……」
「なぁ、少し休もうぜ……?」
「一人分も集めていませんよ?」
長谷部、君働き者だねぇ。
僕には無理だよー。