第14章 山姥切国広、無人島を買う
僕は、同じ白熊を注文しようと思った。
その時だった。
誰かがくいくいと服を引っ張ってくる。
僕は、後ろを振り返ると今剣くん。
この子、思ったより人懐っこいな。
「ぼく、おなじやつじゃなくて、くろいやつがたべたいです!!」
「今剣くん、また今度ね? それ以上食べると、お腹が壊れちゃうよ?」
「だめですか……?」
大きな目をうるうるさせる今剣くん。
か、かわいいなぁ!!
で、でも負けちゃうと後で困るのは今剣くんだ。
「ほら、今剣君。恵ちゃんの言うとおりだよ。食べ過ぎするとお腹を冷やすから、また今度にしよう。それより、昼食は食べたかい?」
凄い、凄いぞみっちゃん!!
さっきの廃人モーととは全く別人に見えるよ!
今剣くんの目線に合わせるようにしゃがみ込んで、笑顔で対応してる。
今剣くんは、眉を八の字にしながら、首を横に振る。
どうしても、食べたかったんだろうなぁ。
「がははは! 今剣、またの楽しみとしよう!」
「はい、わかりました」
流石、保護者。
っていうか、今剣くんにとっての僕って、チョロい刀リストの一番上に入ってない!?
こ、これは……、大人(太刀)としての示しが付かないぞ……!?