第14章 山姥切国広、無人島を買う
結局、それから数分立ってやっと全員降りてきた。
僕は、何度パイロットさんに謝ったことか……。
「元気な弟さんたちですねー」って笑ってたけど、普通そんなレベルじゃすまないでしょって話。
まぁ、そういうわけで無事に飛行機は飛び立った。
ちなみに、何故か僕の横は倶利伽羅が座ってる。
倶利伽羅に呼ばれた時、なんでかそこを指名されたんだ。
一番後に乗ってきた鶴丸が、色々文句を言ったけど飛行機の上に乗ってた人が悪いと思うし。
で、現在空の上。
全員窓際に座り、ずっと空の旅を楽しんでる。
ちなみに、倶利伽羅が窓際だから僕は通路側の席。
なにげに、倶利伽羅もずっと、外を眺めてるから、いい景色なんだろう。
ちょっと優しい顔をしてる。
「倶利伽羅ー、ゲーム楽しい?」
「まぁまぁだな」
「えー、微妙な反応ー」
「魔法ばかり有利でな、少々不満がある」
「Lv30超えたらいいんだし、それにソードマンの役目は仲間を守ること。パーティーの花型役だよ?」
「理解はしてる」
「実感ができない、か」
まぁ、それはそうかもね。
まだ、危ない状況に陥ったわけでもない。
だから、しょうがない。
「そのうち、危ない冒険もいっぱい増えてくる。そうしたら、きっとソードマンでよかったって思えるよ」
「あんたもそうだったか?」
「うん、そうだね。元相棒と背中合わせで戦った時から、ソードマンって素敵だなって思えるようになって」
敵に周囲を囲まれて、相棒を庇いながら戦った、あの日。
相棒を守りぬいた時、相棒が笑って「お前が居てよかった」と言ってくれた。
その一言だけで、僕は剣士をやっててよかったと思えた。
剣士という職業に、誇りが持てた。
「――そのうち、だな」
「うん、そのうちだよ」