第9章 Battle9 VRMMOだからこそ、伝わる温度差
これで、僕がソードマンだったら嬉しかったんだけどなぁ。
どうせ、人数も多いし純ヒーラー直行ルートだよね。
だって、バランス型ヒーラーで活躍してる小説は、まぁある。
でも、現実はそう上手くいかない。
どんなに、攻撃を特化しても、本来の攻撃職には負けてしまう。
防御面だって、純ヒーラー(回復やサポート等の本来の仕事に特化したヒーラー)に負けてしまう。
もちろん、仕事面でも。
なら、何故バランス型ヒーラーが生まれるのか?
それには、理由がある。
一緒に戦う友人が居ないプレイヤーは、自分で戦い自分で癒やすプレイが一番やりやすい。
そう、バランス型ヒーラーはソロプレイヤー特有なんだ。
だから、僕みたいな、仲間と一緒にやってるヒーラーは、無理にバランス型ヒーラーにし、本来の仕事を捨てるような真似をしたらいけない。
逆に、今回のメンツを見てみよう。
倶利伽羅:ソードマン
鶴丸:マジシャン
乱ちゃん:マジシャン
一期さん:シーフ
長谷部:アーチャー
みっちゃんは、戦闘要因じゃないから省かせてもらったけど。
それでも、僕は戦闘の時、これだけのメンバーの援護をしなくちゃいけない。
そうなると、純ヒーラーじゃないと、仕事は追いつかないわけだ。
それなら、ヒーラーを増やせばいい。
そう思う人も居るだろう。
でも、無理にヒーラーを増やしても特にいいことはない。
上手いヒーラーは、平気で10人のプレイヤーを援護する人だって居る。
そう、こういうネトゲの世界では、下のプレイヤーを見ちゃいけない。
常に、上の上級者プレイヤーだけを見ないと……。