第8章 Battle8 白い子と熱を分け合う
「そ、そうだ!! みっちゃん、水泳で競争しようよ!」
「後からね」
みっちゃんが、僕の首筋に吸い付く。
「うわぁ、見えない位置にしてね……?」
「見えないと、意味ないと思うよ?」
うわぁ、思ったより自己主張強い子なのね……。
「おいおい、主が困ることだけはするなよ?」
「さぁ、何のことだか?」
鶴丸って、意外と紳士的だったんだ。
まぁ、本当の紳士ならあんなことはしないか。
そもそも、僕はレディじゃないから、紳士にならなくていいんだけどさ。
「恵ちゃん、続きしようね?」
みっちゃんは、ご機嫌そうに僕を横抱きする。
暴れようとした瞬間
「大人しくしててね?」
と耳元で囁かれる。
さ、さっきも絶対わかってやってたに違いない!
こんのっ、天然たらしめっ!!
僕の顔がみるみるうちに熱くなるのを感じながら、大人しく運ばれる。
好きで運ばれてるわけじゃない。
さっきの一言で、腰が抜けたんだ。
あぁ、本当に不敗の王の威厳は何処へやら?
今の僕って、最高にゾクゾクしないや……。
最悪だ。