第5章 東京遠征〜1〜 初対面
初夏の暑い中、ただひたすらに試合をやり続け、“最強の囮”と“天才セッター”の欠けている烏野は本領を発揮できず、ペナルティをこなした。
皆が期待はずれだと言った。
日も暮れ始め、残り数セットになったとき、
主役が遅れてやってきた。
二人が加わった残りの試合は、神業速攻を使い勝つことができた。
森「クッソ、、、」
生「翻弄されてたな。」
森「うっせぇ!お前らもやってみろよマジで何起こってるかわかんねーから!」
木「いやぁ、今年は選手といいマネージャーといい、面白くなりそーだなぁ」
東京の猛者たちから
“強さ”を求めた幼き烏たちは
何を学び、何を身につけるのか
少しずつ、進化の兆しが訪れようとしていた。
ー及川ー
「で、あたしはお風呂入ったしもうみんなのとこ行きたいんだけど、なんでここにいんの?
及川クン?」
及「やだなぁー徹って呼んでよー」
「誰が呼ぶかクソ」
及「お口悪いとモテないぞー?」
「誰が、いつ、モテたいっつったよ。それに、あたしは自分に嘘ついてまでモテたくないね」
及「それ俺に言ってる?」
「自覚してんなら何よりだわ。じゃーね」
とっさに出てしまった手。
「なんのつもり?」
及「や、えっと」
「そ。」
さっと俺の腕を振り払って行ってしまった。
及「初めて本気になったかも、、、」
俺の呟きは静かな廊下に飲まれて消えた。