第20章 コイビト
2人で保健室から出て、練習を続けていたみんなに復活の報告をした。
ちかが見当たらなかったのは帰ってしまったからだと聞いた。後で話さないと。
「ご心配おかけしましたぁ。」
菅「朱莉それ思ってねぇべ。」
「思ってる思ってる。めーっちゃ思ってるよ」
菅「うわー信用出来ねぇ」
「なんだとっ!?」
漂っていた緊張感は少し緩んで、笑うくらいの余裕が出来た。
菅「ところでお二人さん?無事に話はついたのか?」
スガの言葉にやっぱりそれ聞くかーと思いつつ、だいちと目を合わせる。
「あーうん、まぁ」
澤「付き合うことになった。」
言葉にするとちょっと照れくさくて、だいちの後ろにそっと身を隠した。
一拍置いた後にうぇーい!!!!と雄叫びが上がり、スガからは腹パン、旭からは涙、その他からはおめでとうございますとお祝いの言葉をもらっていた。
チョイチョイとジャージの裾を引かれ、振り返れば潔子とやっちゃんがいて、笑顔でおめでとうと言ってくれた。
こんなに祝ってもらえたのは初めてのことで、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
それから練習を再開して、選手達は怪我なく一日を終え、着替えの最中にちかに家に行くと連絡を入れた。