第18章 夏の終わり
ー及川ー
それなりに大きい祭りが近所であることを知って暇だったメンツと一緒にやって来た俺達。
及「んー、やっぱ目立つねぇ俺達」
岩「ほぼほぼテメェのせいだけどな及川。」
及「絶対俺だけじゃないと思うけどね!」
だって俺無駄に愛想振りまくのやめたもん。
俺の顔に寄ってくる女の子にだって興味は無い。俺のことを知ってる人から見たら変わったって言われるんじゃないかな?
俺の手に入れたいのは、あのコだけなんだ。
そう、丁度あそこでキョロキョロと周りを見ている女の子みたいに髪の赤い、、、
って、本人じゃね?
見間違えるはずのない赤い髪。やばい嬉しい。他の奴が声をかける前に、といま気付いたのを装って目が合った彼女に声をかけた。
及「あっれー?べにちゃん?」
近づいて改めて全身を見れば、今日の為にされたであろう髪の毛のアレンジや化粧、浴衣に全力で走った後みたいに胸がドキドキした。
及「かわいー、、、」
「は?」
及「っ!!!」
無意識のうちに口に出てしまっていた。
でもホントのことだし。
及「浴衣似合ってるね。」
「、、、ありがと。」
嬉しくないのかな?とても喜んでいるようには見えない。
やっぱりこの子は他の女の子と違う。