第13章 黒尾
縁「ほらもう落ち着けって。ここは家じゃないんだぞ?」
「わかっ、てる。」
ちかからそっと腕を離すとまた寂しさに襲われる。
心に穴が空いたみたいな虚しさを掻き消したくて、拳をぎゅっと握り、さっき苦しいと感じた事を自分の心の奥底に沈めた。
「ごめん、ちか。邪魔した。」
ちかに掛けてもらったタオルをとって顔を上げればそこにはいつもと変わらない無表情のあたしが出来上がる。
縁「ごめん、じゃなくてありがとう、な」
「ありがと。」
菅「縁下ぁー!始まんぞー!」
縁「あとでまた話聞いてやるから、な?」
「うん、ありがと。」
呼ばれて走っていくちかの後ろ姿を見ながら唇をきつく噛み締めた。
やっぱりここはみんな眩しい。
「苦しいなぁ、、、。」
あたしのココロの叫び、誰か気づいて。