第13章 黒尾
ー朱莉ー
「ッシャ来いやタラコ!!」
「ニワトリがっ、、、」
コートの端と端で挑発し合う両チームのキャプテン。
それなりに付き合いがあるからできるんだろうな。
ドッと鈍い音を響かせ飛んできたサーブを勢いを殺してセッターに上げるやっくん。
それを孤爪は最低限のモーションでトスを上げる。
特にクロとの連携はズバ抜けてスムーズだ。
誰だっけ?あ、及川とはじめに似てる。
猫「どうだね?改めて音駒というチームは」
ニヤッっと効果音が付きそうなほど妖しく笑った猫又監督に若干引きそうになるものの、コートの選手達を見ながら答える。
「身体の使い方が上手いですね。レシーブがしなやかですし、次のプレーへの切り替えが早い。」
猫「さすがマネージャーにスカウトされただけあるな。」
「スカウトだなんて、たまたま身体のケアに詳しい暇人がいたからってだけですよ。」
猫「その割には選手も指導者も君を信頼し、君も応えようとしているようだが?」
「本気でやっている人たちには本気で応えないと失礼ですから。」
猫「ほぉ、いい心がけだ。」
この人の心の内が見えない。
何がしたいんだろうか、、、。