第11章 理由と決意
「そりゃ嬉しいね。」
ただただ純粋に嬉しかった。
自然と頬が緩んでしまうくらいには。
月「ッ、、、べにさんはどう思いますか?」
「なにがー?」
月「昨日木兎さんに僕が聞いたことです。」
「あー、あれかぁ。あたしのはきっと参考になんないよ?」
月「それでもべにさんの意見が聞きたいです。」
そう言った蛍に私の思ったままのことを言うことにした。
「あたしは選手じゃないし部活もやった事ないから説得力とか全然無いけどさ、気持ちとしてはコタ寄りって感じかな。
あたし等のしてることってさ、人から見れば何が楽しいのか全然分かんない。無駄じゃない?って思うことばっかりだと思う。
あたしだって前まではそう思ってた。なんでそんなに全力になれるの?って。
けど、みんなを見てたらさ、そんなの関係なかったんだなーって思った。」
月「どういうことですか?」
「明日どうしようとか、人がこう言ってるからとかそんなのどうでも良くて、ただバレーが好きで上手くなりたいから、今この瞬間に全力を注いでる。
この先どうなるか分かんないから後で後悔しないために全力なんだ。
蛍は今立ち止まって後悔しない?」
月「、、、どうですかね。分かりませんよ」
「なら、やらないで後悔するよりやって後悔したほうが良くない?」
月「そうですね。ありがとうございました。」
「参考になったかはわからないけどどういたしましてー」
それからは二人無言で朝ごはんを食べた。