第33章 休息
程なくして、和先輩から静かな寝息が聞こえて来る。
寝顔は、まだあどけなさが残っていて可愛い。
そんな和先輩を見ていたら、自然と笑顔が溢れた。
「ニノ、前はこんな性格じゃなかったんだよ?」
「え、そうなの?雅紀先輩」
「うん、ニノが寝てるからこそ教えてあげられるんだけどね。
起きてたら、絶対喋らせてくれないの」
「そうなんだ」
「楓ちゃんには、特別に話してあげる。
ニノの初恋について」
「それ、俺らも初耳なんだけど。相葉くん」
「だって、誰にも言ってないもん」
「つーか、なんで知ってんの?そんなこと」
「仲良しだから!」
「…ふーん」
「まぁ可愛いかったんだよ?今とは反対の意味で」
「え、そうなの?」
「うん、あれは…ニノが年中の時」
昔を思い出すかのように、遠い目をしている雅紀先輩。