第30章 メイドさん
「良いじゃん、そんなの。
完璧な人間なんてつまんないし、少しくらい欠点あった方が俺は好きだよ」
「智くん…」
ジーン…と、感動した目で智先輩を見つめる翔先輩。
「料理が出来なくて、絵がド下手で運動音痴でヘタレで撫で肩、しかも噛みやすいのが翔くんだから」
と、ニッコリ笑顔の智先輩の毒舌の嵐。
「さ、智くん…」
翔先輩も、なんとも言えない顔をしている。
「褒めてんだか貶してんだか、はっきりしろよな」
「笑顔は良いのにね〜」
「本人も、悪気は無いんですけどね」
こちらも、なんとも言えない微妙な表情をしている先輩達。
「そういやニノ、また敬語に戻ってんじゃん」
「そうですか?まぁ、もう良いじゃないですか」
「勝手に終わらせんなよ」
「…分かったよ、気をつける」
「ん、分かれば良いよ」