第29章 松本潤のお願い
「デザインは大野さんがして、作ったのは潤くん家のブランドです」
「そうなんだ…でも、なんか気が重いよ…。
パーティーなんて…」
「美味しいものも沢山あるんだってよ!楓ちゃん」
「本当?雅紀先輩」
「うん、全部有名シェフが作ってるんだよー」
「行くっ」
「簡単な人ですねぇ、食べ物に釣られるなんて」
そんな和先輩の言葉は流して、気になっていたことを聞く。
「なんで私を誘うの?」
「俺らは連れて行きたいってのもあるんだけど、朋子さんに頼まれたんだ」
「お母さんに?」
「うん、将来の為にってね」
「将来は楓ちゃんも出なきゃならないでしょ?」
「だから、最初は俺らと出て慣らさせるっつー魂胆だよ」
「なんか、お母さんらしい…」
「朋子さんの頼みは断れねぇしな」
「そうなの?」
「私達の、唯一の理解者なんですよ」
「凄いんだね」
「そうだよ、朋子さんはすっごいの‼︎」
私のことじゃないのに…照れる。