第28章 二宮和也のイタズラ
「あー?確かにな。
言われてみれば翔くんに似てるかも。
実は従姉妹(いとこ)だったり?」
「意外と翔ちゃんだったり?」
「えー、そうかな?」
天然雅紀先輩が、変わったことを聞く。
「ないない、翔くんに限って」
と、おかしそうに眉を下げる智先輩。
「そういえばさ、翔くんは?
まだ仮眠室だよな?1人で。
つーか、翔子ちゃんはいつここに入ったの?
俺らは入って来たとこ見てねぇけど」
「流石潤くんですね、目の付け所が違う。
実はなんですけど、ここを通らずに入る隠しドアがあるんですよ」
「ホントに⁉︎」
目を輝かせる雅紀先輩。
「ええ、今度教えましょうか?」
「うん、ぜひっ!」
「あったんだ、そんなの」
「あるよ、潤くん。
だって今まで正面から女連れ込んでるとこ見たことないでしょ?」
「言われてみればそうかも、声とかは聞いたことあるけど」
「声?話し声とかなの?智先輩」
「…最中の声だよ」
ボソッ、と呟く。
最中って、なんのかな?