第3章 秘密のお勉強
「てなわけで、放課後一緒に居れません」
「そっかぁ…残念だなぁ。
楓ちゃん居ないと寂しい」
「大袈裟だよ、相葉ちゃんは。
その補習って、1人でやんの?」
別に、まだそこまで俺の中に楓ちゃんは居ない。
「はい、1人で自習です」
「それってさ、補習の意味なくない?」
補習じゃなくて自習じゃん。
「私もそう思います」
「じゃあさ、俺が教えようか?」
自分でも、なんでこんなこと言ったのが分からない。
気がついたら、勝手に言っていた。
これって、俺の中の楓ちゃんに対する気持ちに変化があったってことだよね。
俺が気づかない内に。
「え、良いんですか?大野先輩」
「マジで教えんの?リーダー」
「うん、俺社会得意だし」
「おぉっ、流石!」
やる気出してるのに、申し訳無いんだけど…。
「あの、教科数学なんですが…」
「「…」」