第1章 秘密の始まり
「誰かを探してたんじゃないの?
やっぱり居ない、とか言ってたよね?」
「あ、えぇと…ですね…」
どうしよう…ここまで言われちゃったら誤魔化せないよね。
というか上手い言い訳が見つからないし。
まさか、あなたを探してました!なんて言える訳ないし…。
「急いでないならちょっといい?
俺、君に言いたいことがあってさ」
言いたいこと…?
一体なんだろう。
「あ、はい。大丈夫ですよ」
「…この間はごめん」
「え⁉︎」
「ちょっと言い過ぎた」
「あ、いえ…私こそ失礼なこと言ってすみませんでした」
「全然」
「そうですか、良かったです…」
良かったぁ…大野さん、良い人そう。