第2章 幼少期
…それにしても、これってあれだよね、転生トリップってやつだよね
と、思ったとある夏真っ盛りの8月。
いくら今子供だからと言ってこんなクソ暑い日に外行って遊ぶ元気はでない
クーラーがきいた部屋のベッドでゴロゴロしながら今までを思い返す
…これってアレだよなぁ、マジで転生トリップだよなぁ…
だって、あの時…パソコンでシャイニー達の存在を知ってから今までロクに見てこなかったテレビを見るようになった
そして、林檎ちゃんや龍也さんががっつり番組に出ているのを目の当たりにして信じないわけがない
喜んでいいのかなんなのやら
小さくため息をつく
そういえば、今のお母さんとお父さんが就いてる仕事は、どうやら音楽関係の仕事らしい。
といっても裏方とかなんだけど、それでも有名人やらすごい人に直接会う訳で、前に試しにシャイニーのことについて聞いてみたらお父さんが、「ああ、早乙女さんはとても面白い人だよ」と、楽しそうに笑って話してくれた
そして、そういう仕事に就いてるからか、私もいつかは音楽関係の仕事に就かせたい、と両親が会話しているのを耳にした
ふむ。私がか。…無理だな
だって……、と前世の自分を思い返してみる
めっちゃくちゃ普通の女子高生、だったような気がする。歌うのは好きだけど上手くはないし、作曲なんて出来るわけがないしやったこともない。
「……でも、今は…」
自分の両の掌を見つめる
今は、小学生だ。
…今から学んでも、遅くはない…?
そうだ、今からでも遅くはない
私は今、小学生だ。これからはまだまだある
せっかく記憶はそのまま、第二の人生を歩めるのだ。しかもシャイニー達がいるこの世界
大きな夢持っても、いいよね?
そこまで思ったらもういてもたってもいられなくなり、部屋を出て両親がいるだろうリビングまで駆け込む
「――…お母さんお父さん!私、将来シャイニング事務所に入りたい!」