第11章 ２年間

懐にさえ入り込めれば。

狙うはただ一つ。

「バカの一つ覚えが！突っ込むしか脳がねェのか！？」

「……………」

ラビッシュに向かいながらはチラリと脇に視線を向ける。

貴方ならまだ動けるでしょう？
そう信じて私は動くから、力を貸して！

「はぁッッ…！！」

は千鳥を振り下ろすのではなく、勢い良く前に突き出した。
狙いはラビッシュじゃない、真の狙いは、


ドカァァァン……！！

リーダー格のヒューマンドリルが投げた大きな瓦礫。
その瓦礫の脆くなっていた部分をは正確に突いた。

「…！！」

瓦礫はラビッシュの目の前で突然に弾け飛ぶ。

「だが、この未来は見えていたんだよ…！！残念だったなァ？！………っぐぅ…？！」


サキサキの実で見たの未来。
ラビッシュはがこの策で来る事を読んでいた。
意識は完全に一人に向けられていた。



その為に薄れた自分への意識。

ゾロはその一瞬を見逃さず、ラビッシュへの一太刀を確実のものとしたのだった。

「てめェ……！」

ラビッシュの意識は完全にソロに移った。
そしてそれこそがの求めていた最大の隙。


「…………！」

「……………」


の唇が、ラビッシュのそれに一瞬だけ触れる。


体に悪魔の実の情報が入り始めた事を感じるとはすぐにラビッシュから距離を取った。


「………なんだァ…？クハハ…女、てめェ誘ってんのか？」

「いいえ」

「…！お前一体何してンだ……！！」

ニヤリと笑みを浮かべるラビッシュと動揺を隠せずにいるゾロ。
そしてただ一人冷静に言葉を返す。

次の瞬間。

ザシュ…………ッ！！


「ぐっ……！？」

の千鳥がラビッシュの肩から腹側までを大きく切り裂いた。

瞬時に距離を取るラビッシュ。
その額には痛みから脂汗が玉のように浮き出ていた。

「終わらせます」

冷たいの眼光が真っ直ぐにラビッシュを貫いた。