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pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)

第11章 2年間


「そうか女、テメェ白ひげ海賊団の残党か…」


残党。

親父様亡き今、私達は残党扱いなのか。
親父様とエース隊長をあの戦争で救えなかった事、遡ればパナロ島で黒ひげと戦う事すら出来なかった自分。

あの日から、夜の数だけ悔いてきた。


「なんと言われようと…私達は白ひげ海賊団です」

「そうだな、そうしてくれ」

「は……?」


思いもよらない返答には目を丸くした。


「その方が殺し甲斐がある…兄者を潰した奴等を俺が潰してやんよ!!!」

「うっ…!あぁ…!!」

鈍い音と共に蹴りを受けたは後ろへ飛ばされる。

よろつきながら立ち上がる。
ラビッシュは…なんと言った?

「兄者の名を教えてやろうか?」

「……っ」

「それとも死んで向こうで直接会うか?」

ラビッシュの剣が再びに振り下ろされる。


ダメだ、間に合わない。


斬られると覚悟したその時、の目の前に影が写る。



「…ったく、待てっつったろーが」



「ゾ、ロ……っ」

目の前にはラビッシュの剣を刀で受け止めるゾロの背中。



「なんだてめェは…」

「てめェこそなんだ、こちとら暇じゃねェんだよ」

ラビッシュの剣を弾き返して間合いをとる。

「俺はそっちの女に用があンだよ、兄者…グリフッドの仇の白ひげ海賊団になぁ!!!」

「……!!」

グリフッド、その名前を聞いての背筋が凍り付いた。

忘れもしない、名前、顔。

「グリフッド?誰だそりゃ」

「………私の故郷を滅ぼした男です、父も母も皆殺されました…」

「…………!」


ゾロの目が少し見開かれる。

グリフッドは故郷の、両親の仇。
そして私はラビッシュの仇。

グリフッドを葬ったのは紛れもなくこの私だ。


「テメェの仇討ちなんざ知るか、こっちはやらなきゃなんねェ事が山ほどあんだよ!」

腕のバンダナを解きゾロは頭にそれを巻く。
チラリと目線をへ向ける。
肩の怪我に加え、先程飛ばされた衝撃で背中に大きく傷を作っていた。

(ありゃもう戦えねェか…)

視線をラビッシュに戻す。
そして刀を三本、全て構えた。


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