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pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)

第11章 2年間



「なぁ、森の方騒がしくないか?」

「そうかぁ?」

「……!」

「ちょっ…待てって!!」


いつもの様に鍛練を積んだ日の夜、普段は静かな森の微かな変化に最初に気付いたのはゾロだった。
その言葉には神経を集中させる。

そして感じたのは弱っていくヒューマンドリル達の気配だった。

居ても立ってもいられずはゾロの制止を無視して城を飛び出した。



(気配が、あの子達の気配が消えかかってる…!)



見聞色の覇気を身に付けたにはヒヒ達が今どんな状況にあるのか直ぐに感じられた。

夜の暗い森を迷いなく駆け抜ける。

毎日の様に過ごしている森はもうにとって庭のようなものだった。


「バカ!そっちじゃねェ!こっちだ!!」

「ぐっ…!わかってんだよ…!」


の後を追おうとしたゾロの方向をベローナが正す。


「お前のそれワザとか?!」

「うるせェ!」


180度方向を変えて走り出すゾロの背をベローナは不安気に見送った。



その頃、ヒューマンドリルの住む森では招かれざる客によって酷い有り様だった。

「なんだこの猿達は…お前等が手こずってると思って手を貸してみりゃ大した事ねーじゃねェか」

「す、すいません!」


黒い髪を逆立て頬に大きな傷痕のある男が地面に伏しているヒューマンドリルを蹴り飛ばした。

「チッ…ログポースさえ手に入りゃこんな陰気なトコに用はねェんだ」

「……!」

そう言って手下に向けた視線はその場の空気を凍らせるほど冷たいものだった。

この男、名をラビッシュと言った。

航海の途中ログポースを粉砕してしまい彷徨いながらこの島に辿り着いた。



「何て事を……」


声に気付き振り返ったラビッシュの視線の先にはの姿があった。

何の因果なのだろうか。


この男の兄はグリフッド。
その昔、の村を滅ぼしたあの男の弟だった。



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