pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第11章 2年間
森ではすでにヒヒ達ととの鍛練が始まっていた。
「殺す気でお願い」
とても物騒なお願い事をはヒヒ達に頼む。
ゾロとは違い、ヒヒ達はになついている。
そんな甘さを取り払う為のお願いだった。
「キキ…!」
「ありがとう、よろしく」
承諾をしたように頷くヒヒ達に礼を言い、は千鳥を構え目を閉じた。
それを合図にヒヒ達は一斉に斬撃を飛ばす。
「驚いた…ヒヒのくせに斬撃飛ばせんのかよ!」
ベローナは目をパチパチさせてその様子を見ていた。
ゾロとの戦いを経て、ヒヒ達はまた強くなっている。
ミホークの見立ては正しかったのだ。
(目を閉じていても…ぼんやりと見える)
ヒヒ達から放たれる斬撃を躱したり千鳥で受けたりする。
その心は数日前よりも遥かに冷静になっていた。
ミホークとゾロ、ヒューマンドリルとの鍛練。
そしてベローナは彼らの手当てや食事の用意などをする日々が続いていた。
慣れないベローナの料理も1年が経つ頃にはまともな食事になったように、ゾロやも見違えるように逞しくなっていた。
に関して言えばあどけなさが消え、美しい女性へと成長を遂げていた。
「ゾロ、昼食が終わったら相手して」
「お前も懲りねェな…」
「まるで私が弱いみたいに言わないで、今日で五分にしますから」
「へっ…どーだかな」
最近はゾロとが手合わせをする事も多くなった。
ゾロの武装色、の見聞色も1年前よりも磨きが掛かっている。
「ベローナ、御馳走様」
「オイ、夜は酒用意しとけ」
「命令すんな!!ロロノア!」
あの頂上戦争から1年。
は未だに自分の歩む道を明確に見つけられずにいた。
夜になる度に左腕の刺青を見つめてはこの先の事を考える。
そして弱いままでは道を選ぶ事すら出来ないと自分を戒め、朝を迎えるのだ。