pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第10章 クライガナ島、再び
「ヒヒを倒してくる」
「手当てしたばかりで何言ってるんですか!」
「やっと道が見えた、だから今なら勝てる」
自信ありげなそのゾロの言葉とギラリとした目付きには背筋がゾクリとするのを感じた。
「道……?」
「とにかく早くルフィの所へ…それだけじゃダメなんだ、でもやっとやるべき事がはっきりと見えた」
それだけ言うとゾロは森へと向かった。
医務室に残されたベローナとは顔を見合わせた。
「大丈夫、でしょうか…」
「なぁ、アイツ手当てしたって意味ねェって感じてきたんだけど…」
「…私も鍛練に行ってきます」
ベローナは医務室に残された新聞を改めて見る。
「あれ、麦わらこんなタトゥーなんてしてたかな…?」
ミホークと共に外へ出たは一旦新聞の事を忘れ鍛練に集中していた。
「目を閉じろ、気配を感じる事に全神経を注げ」
「……はい」
の立つ場所の真上には瓦礫。
ミホークはそこへ斬撃を放つ。
大きな音と共に瓦礫が崩れに降り注ぐ。
(来る…!)
目を閉じたままは千鳥を構えた。
(気配を感じろ…!)
瓦礫がの頬を掠める。
「…!」
まだだ、まだ感じ切れていない。
千鳥を振るも落ちてくる瓦礫に当たるのは三回に一度程度だった。
空を斬る度にの体に傷が付いていく。
「雑念を捨てろ、頭で考えるな」
ミホークの声が響く。
次の瞬間ミホークはに向けて斬撃を飛ばした。
「……!!」
強い力の気配を感じる。
目を閉じているのに瞼の裏に映像が浮かぶ感覚。
避けられる。
いや、
受け止める。
ガキィン…!!!
タイミングをピタリと合わせは千鳥でミホークの斬撃を受け止めた。
「ほう…」
ミホークは続けざまに斬撃を放つ。
そのスピードは先程よりも速い。
(見える……けど…!)
気配を強く感じられても速さに着いていけなければ意味がない。
斬撃を受けたり躱したりするの足にも限界が来ようとしていた。