pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第10章 クライガナ島、再び
事はその数日後に動いた。
最初にそれを見たのはだった。
「これは…!」
が手にしていたのは今朝の新聞。
その一面には復興作業中のマリンフォードで黙祷を捧げるルフィの姿があった。
「マリンフォードに…?!麦わら、どうして……」
ルフィの行動の意図がにはわからなかった。
だが、新聞には冥王レイリーとジンベエの名もある。
レイリーはかつての海賊王のクルー。
そんな人がルフィの気まぐれに付き合ったとは到底考えにくい。
(直接会ったことはないけれど、とても賢い方だと親父様に聞いたことがある…)
『ロジャーの相棒はレイリーにしか務まらねェ、器のデカイ男さ』
白ひげの言葉を思い出す。
「とにかくゾロに伝えなきゃ…」
毎日ミホークと鍛練を行うと同様、ゾロもヒューマンドリルの住む森を抜けようとして戦う日々を過ごしていた。
は医務室へ向かう。
怪我をしては手当てをし、また怪我を負うゾロは今日もベローナに怒鳴られながら手当てを受けている。
「ゾロ、居ますか?」
「あぁ」
医務室に入ると調度手当ても済み、ベローナが薬箱を棚に戻している所だった。
「ありがとう、ベローナ」
「も何とか言ってくれよ!コイツ手当てしてもすぐまた怪我して来やがるんだ!!」
「俺は頼んでねェ」
「私だっての頼みじゃなきゃしてねェよ!!」
ゾロの手当てはがベローナにお願いした事だった。
文句を言いつつもベローナは丁寧に手当て行う。
放っておけば怪我をそのままにしてしまうゾロだが、も自分の鍛練がある。
ベローナの存在はとても大きいものだった。
「ゾロ、これを…」
「…ルフィ!?」
「貴方ならこれの意図がわかるかと思って…」
「何だよ、新聞か?」
ベローナも一緒になって新聞を覗き込む。
「ルフィは普段こんなことするヤツじゃねェ…レイリーも一緒か……」
ゾロはしばらく考え込んだ後、何かに気付いた様に体を起こした。
「そうか…!」
「やっぱり何か……ってゾロ?!何処へ!!?」
立ち上がったゾロはそのまま医務室を出て行こうとした。