pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第10章 クライガナ島、再び
(迷うな…!!)
迷いは、雑念を生む。
「………っ!!!」
ミホークの何度目かの斬撃はの肩や足を切り裂いた。
痛みで閉じていた目を開く。
「雑念は捨てろと言ったはずだ、止血をしてこい」
「いえ……」
「何…?」
「続けて下さい、何か…掴めそうだから」
「……フッ」
千鳥を構えるのその瞳から強い意思を感じられた。
ミホークは思わず笑みを溢す。
は見聞色の覇気の素質が強いとミホークは既に見極めていた。
ここ数日の鍛練で何かを掴みかけていると言うのも強がりではないのだろう。
再びは目を閉じて千鳥をミホークに向けて構える。
そして先ほどと同じ様にミホークは斬撃を飛ばし始めた。
「幾分…マシになったか」
「…………」
どれくらい続けていただろう。
カシャリと音がしての手から千鳥が落ちる。
ミホークの言葉の後、は膝から崩れる様に地面に倒れた。
その体にはあちこちに切り傷が出来ていた。
「…………」
地に伏せたままのの体を抱き上げるとミホークは城へと向かった。
意識を失い眠るように腕の中に収まる顔を見れば、まだ少女の面影を残している。
ミホークはの頬に付いた泥をそっと指で拭う。
城に戻るとにあてがった部屋へと運びベッドへと降ろす。
「、戻ったのか?……って血だらけじゃねェか!!」
「ちょうど良かったゴースト娘、手当ては任せた」
「はっ…?!ちょ…!おい!!」
部屋を出て行くミホークをベローナは引き留めるものの、ミホークはそのまま足を止めず自室へと戻ってしまった。
「何だよアイツ…ってそれより!!」
急いで医務室から包帯等を持ってきてベローナは手当てをする。
「…ったく、どいつもこいつも無茶しやがって」
眉間に皺を寄せながらベローナはタオルでそっとの顔を拭いた。