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pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)

第10章 クライガナ島、再び


ミホークの返事を待たず、はゾロを半ば無理矢理に医務室へと連れていった。

「オイ!勝手に…!」

「急いで何処へ向かうのです?」

「何処ってルフィの所に決まってんだろ!!」

「麦わらなら、無事です…おそらく」

「……!!」


彼の最後の姿は酷いものだった。

度重なる負荷に負荷を重ね戦い抜いたその体はボロボロだった。
そこに加えてエースの死。
彼に与えたショックは想像を絶する。


「元七武海ジンベエと共にトラファルガー・ローが彼を救い連れていったと聞きました」

「トラファルガー・ロー?」

「北の海のルーキーです、私も会った事はありませんが…彼は医者だと言っていました」

「医者…」

の話す言葉の一つ一つを聞いている内にゾロは落ち着きを取り戻していった。

「どうぞ」

「………」

座るように促され、ゾロはベッドへと腰を下ろす。

手際良く包帯を替える様子を眺めながらゾロはの顔色を窺った。


ルフィにとってもそうだが、コイツにとってもエースはデカイ存在だったんじゃねェのか…?

淡々と話すに感じる違和感。


頂上戦争の大方の内容は新聞を見て知っていた。
もちろん、白ひげやエースが死んだ事もだ。


「…終わりました」

「…あぁ、悪ィな」

片付けをして立ち上がるにゾロは尋ねる。



「お前は…なんで此処にいるんだ?」



普通に考えたっておかしい。
戦争が終わったばかりで白ひげ海賊団も混乱している時だろう。
そんな大事な時に何故コイツは一人此処にいる?


「離れていてもいいのか…?」

ゾロの言葉にはゆっくりと息を吸ってから落ち着いて言葉を紡いだ。


「白ひげ海賊団から離れると決めました」

「な…?!」

「…自分で決めた道を歩く為です」


しっかりとゾロの顔を捉えたその瞳は静かな闘志が宿っているように見えた。


「」

「…ミホーク」

「始めるぞ」

「……はい」


医務室を訪れたミホークの後に続いて部屋を出るの背中をゾロはただ見つめる事しか出来なかった。


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