pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第10章 クライガナ島、再び
「…お前、本気かよい!?」
「マルコ隊長…ごめんなさい、私…自分の道を自分で歩けるようになりたい」
マルコ隊長に救い出されて白ひげ海賊団の船に乗った。
親父様のおかげで信頼できる仲間が出来た。
そしてエース隊長が私に居場所をくれた。
「導かれるままに歩いていたら私はいつか進めなくなる」
だからここで、別れを告げる。
「勝手を言ってすみません…」
ぐっと拳を握り締める。
もう甘えたままでは、守られてばかりではいられない。
「……お前が自分で決めたんだな?」
「マルコ、隊長……」
「だったら俺は止めないよい…でも腕の刺青は消すな、一度繋がった俺達との絆は消すんじゃねェよい」
左腕の刺青にそっと触れる。
大事な、絆。
「……はい!」
「話がまとまったのならば行くぞ」
「マルコ、俺達も船を出そう」
ミホークとシャンクスが船出を促す。
は思い出したように鞄からある物を取り出してマルコに手渡した。
「これを、一緒に持っていって下さい」
「これは…エースの」
鞄から取り出したのはエースのテンガローハット。
「お前が持っていかなくて良いのかよい?」
「この帽子は…隊長しか相応しくありませんから」
「…わかった」
「マルコ隊長、皆…!お世話になりました!」
は溢れそうになる涙をぐっと堪えて頭を下げた。
ここで泣くのは違うと思った。
ここは私の出発点なのだから。
「お嬢、あまり無茶をするなよ!」
「俺達はこれからも繋がってるんだからな!」
ビスタを始め、隊長達はに激励の声を掛ける。
力強く頷くと、はミホークの小舟へと乗り込んだ。
徐々に小さくなっていくマリンフォード。
離れれば離れるほど、島の被害の大きさがわかる。
「さよなら、エース隊長…親父様……」
どうか安らかに。
私はここから新しいスタートを切ります。
貴方達のように誰かを導ける位強く大きくなるために。