pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第2章 アラバスタ
「隊長、仮にも戦闘中なんですからね…」
受け渡す為のキスだが一秒も要らないことはエースももわかっている。
そのはずなのにエースは長く、したがる。
先程もそうだ、思わず洩れてしまったの甘い声。
その原因はエースにあった。
「し…舌入れようとしないでっていつも言ってるでしょう!」
「燃えちまうんだよ」
「そんなとこで燃えないで下さいよ…」
呆れた目ではエースを見つめた。
実力は申し分ないのにこうして子どもっぽい一面を見せてくる。
かと思えば、突然的を得たような事をズバリと言ってしまうのだ。
「でも受け渡す瞬間を隠せるなら隠した方がいいだろ、海軍はまだ『何らかの接触』としかわかってねぇようだったしな」
「…それは、確かに…まぁ……」
言葉を濁すに笑みを見せるとエースは帽子を被り直した。
「さて、ルフィの船に向かうとすっか!」
「全く……」
この隊長と来たら…本当に隊長らしくないのだから。
弟にやっとゆっくり会えると浮かれているエースの顔をチラリと見てははまた溜め息をついた。
「長居は出来ません、行きましょう」
「あぁ」
そうは思いつつも結局のところはエースについていくしかないのだ。
それが白ひげと交わした約束であり、誓い。
『エースを頼んだぜ』
『親父様…はい』
『グララララ…真っ直ぐな良い目だ、!てめェも死ぬんじゃねぇぞ』
『…御意』
エースが黒ひげティーチを追って飛び出してしまったその日、白ひげとの間にこの会話はあった。
エースが自分の生い立ちを白ひげに話している所をは偶然にも聞いてしまった。
もちろん、誰かに言い触らしたりはしなかった。
エースはエースなのだからと、思っていたはそれどころか気にも留めていなかったのだ。
『てめェはエースをどう思う』
『エースはエース…私の隊長である事以外に何がありましょう?』
『グラララ…違ェねェ…』
白ひげはそんなにエースと共に行く事を命じた。
の力で、エースを守るようにと。