pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第9章 覚醒
立ち尽くしているエースにルフィが慌てて声を掛ける。
「エース!!行こう!おっさんの覚悟が…!!」
「……!わかってる!!無駄にァしねェ!」
炎を辺りに張り巡らせ、エースは白ひげに向かって手を付いて頭を下げた。
「隊長…」
もエースの一歩後ろで跪いて白ひげを見つめた。
「言葉はいらねェぞ………一つ聞かせろエース…俺が親父でよかったか……?」
思い返せば色々あった。
こんな俺に居場所を与えてくれたのは他の誰でもねェ親父。
誰かと一緒にいる温かさを教えてくれた。
悩んでいた悩みすらも豪快に笑い飛ばしてくれた。
「勿論だ…!!!」
エースが立ち上がると共にも立ち上がる。
「」
「!!」
「いいか、てめェはもう一人じゃねェんだ…それだけは絶対に忘れるんじゃねェぞ」
「………はい、親父様…」
力強く返事をする。
二人の背を見送りながら白ひげは豪快に笑った。
新しい時代に生きる奴等を見送るってェのはこんな気持ちになんのか。
「お前さん達は前を走れ!」
ジンベエにそう促されながらエース、ルフィ、は集団の前に出る。
船へと走っていた中、突如足を止めたのはエース。
その表情からは怒りが溢れ出していた。
「エース隊長!何を……!!………赤犬…!」
立ち止まったエースに気付いたは慌てて振り返る。
そこにはエースの目の前に立ちマグマを手に纏った赤犬の姿があった。
誰も気に留めなかった赤犬の一言にエースは、エースだけは足を止めたのだ。
「白ひげは所詮、先の時代の敗北者じゃけェ…!」
それはエースにとって絶対に許せない言葉。
「取り消せよ…!今の言葉……!!」
「ダメです!エース隊長…!!」
は焦っていた。
あれはどう見てもエースを挑発している。
少し位の挑発ならいつもはの静止の言葉も届くのだが、白ひげを侮辱されたとあれば話は別だ。
の言葉は届いていない。