pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第9章 覚醒
「こんな危険な所に飛び込んできやがって…馬鹿野郎…!」
唇を離した代わりに今度は額合わせられる。
「エース、隊長…!」
目の前にいるのがエース本人なのだと漸くの中で現実味を帯びた。
生きている、エース隊長は生きている。
伝わる体温からその事実を感じとる。
黒煙が炎へと変わる。
こんなに近くにいるのに熱いだなんて思わない。
暖かく包み込むような炎。
「……っ!」
太陽の様な炎。
「エース!!」
「、ルフィ!お前等はホント俺の言う事も聞かねェで無茶ばっかりしやがって!」
「エースさん!ルフィ君!」
エース解放の様子はジンベエや隊長達のいる下からでもハッキリと見てとれた。
「火柱!!」
大きく燃え盛るその火柱の熱は離れた白ひげの元にも届いていた。
遠目だが寄り添う様に並んでいるとエースの姿に目を細めて笑みを浮かべた。
「戦えるかルフィ!!!!」
「勿論だ!!ハァ…!ハァ…!!」
「私もやれます!」
千鳥を抜いたはその刃に炎を纏わせた。
「新しい戦い方でも身に付けたか!強くなったんだな、!」
「…しゅ、集中してください!隊長!」
面と向かって褒められる事自体久し振り過ぎてどう答えていたのか忘れてしまった。
無性に恥ずかしいと思ってしまう。
三人に向けて一斉に銃が発射される。
ゴムであるルフィはその銃弾を跳ね返し、炎であるエースの体を銃弾はすり抜けていく。
先程煙の中でエースと口付けを交わしたもまた同じだった。
「あの女も銃弾がすり抜けてたぞ?!」
「どうなっているだ?!」
海兵達にどよめきが起こる。
「挨拶代わりにお前がやってやるか?」
ニヤリと笑ってエースがを見る。
「……目立つ事はあまりしたくないんですけどね…」
そう言いつつもは後ろに拳を構えた。
「火拳!!!」
強烈な炎がから放たれ、突然の事に対処しきれずにいた海兵達に直撃した。
「すっげー!!お前も炎使えんのか?!」
キラキラした目でルフィがを見るが、今は説明している暇はない。