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pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)

第9章 覚醒


確かにな筈なのに、自分の中の何かが違うと叫ぶ。

「……?」

思わず小さくそう名を呼んだ。

それに気が付いてくるりと振り返ったは見たこともないような妖艶な笑みを見せた。

「は直ぐに返してやる…その前に自分の身を案じていろ」

「……お前は…」

まるで自分はではないと言わんばかりの言い方にエースは戸惑った。

巨大化したセンゴクの拳がへと振り下ろされる。
しかしは一歩もその場を動く事なく黄猿の時と同様に右手をスッと差し伸べた。

「危ねェぞ!!」

「いいから自分の役割を果たせ、小僧」

の身を案じたルフィだったがの一言に圧倒されてしまう。

センゴクの拳はの掌に乗ったかと思うとピタリと動かせなくなってしまう。

「何…!?」

「まるで羽根のようじゃの…」

そのままは掌を反すとセンゴクの体も同じ様に反転し地面に叩き付けられた。


「元帥!!」

「センゴク元帥!!」

その衝撃で処刑台は崩れてしまう。

「今だ狙い撃て!!!」

落ちるルフィ達に続いても飛び降りる。


「さて…妾はここまでじゃ、よいな…」


落ちながらは気を失った。
その事に気付いたのはエースだった。

「?!」

砲撃の黒煙の中、咄嗟にその体を抱き寄せる。


「よし!錠は外れた!!!」

ルフィの声に自分の手首を見ると煩わしかった海楼石の錠は外れ体中に力が漲って行くのを感じた。


「…」

もう二度とこの手に抱けないと思ったいた大事な女の名を呼んでみる。

呼び掛けに応えるようにはゆっくりとその瞼を開けた。


「エース…隊長…?」

「!!」


今度は間違いない。
会いたくて堪らなかった、触れたくて堪らなかった彼女そのものだ。


「私は……痛…っ」


マルコ隊長に守られて、でも黄猿の光線を受けて、それで…それで?
思い出そうとすると頭痛が走った。

「!!」

「隊長…ん…っぅ…?!」


黒煙の中、重ねられた唇。
とても懐かしく感じてしまう。





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