pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第9章 覚醒
「お嬢!お嬢!しっかりしろ!」
黄猿の光線を受け倒れたをビスタが抱き起こす。
脈はあるものの、は目を開けるどころか指先一つ動かない。
ビスタはこのままを戦線離脱させる事を決め船医を呼び寄せた。
「止血をしてくれ、絶対に死なせるな」
「はい!」
の肩と脚に包帯が巻かれる。
簡単な応急処置を施して安全な場所で輸血をしようと船医はを抱えようとした。
その時だった。
「もうよいぞ」
「へ………?」
ムクリとは体を起こし何事もなかったかの様に立ち上がった。
「、副隊長…?」
船医は目の前の出来事が信じられず何度も瞬きを繰り返す。
「手間をかけたな、他の者の処置へまわってくれ…妾はもうよい」
返事も出来ずにいた船医をその場に残しは颯爽と歩き出した。
向かった先は白ひげの元。
「酷い有り様じゃの…死ぬのか?ニューゲード」
「!親父に向かってなんて事を…!」
「ゴフッ…!いや…コイツァじゃねェな…」
「なんじゃと?!」
隊長達やジンベエも白ひげの一言に目を疑った。
「てめェは…アレか?の中の悪魔か?」
「いかにも」
見た目はそのものなのに纏う雰囲気が全く違っていた。
「そうか…俺の娘は何処へやった?」
「今は眠っておるよ、妾が今動けるのはの寿命一年分のみ…いずれ目覚めよう」
「あらら~?もう動けちゃうのかい?怖いねぇ…今度はちゃんと仕留めるとしよう」
「しまった!黄猿!!」
白ひげの背後を守っていた隊長達は再び現れた黄猿にふいをつかれた形になってしまった。
光の速さの光線が再びへと向け放たれる。
「「!!」」
隊長達の叫び声が響いた。
「ふふ…元々妾の力なのだぞ?それで妾を射止められる筈がなかろうに…」
「…!!」
黄猿の光線はの右手の平一つで簡単に揉み消されてしまった。
この事実には黄猿も驚きを隠せなかった。
「あまり時間がないのでな…」
「ここは俺達で食い止める…てめェはをエースの元へ連れて行きやがれ…!」