pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第6章 軍艦
ベローナとは人が居ないことを確認して軍艦の後方にそっと近付く。
そしてだけ飛び移った。
「…死ぬなよ、グスッ……」
「ベローナ、ホントに助かりました」
コクンと頷くとベローナは実体に引き寄せられる様に元来た道を飛んで行った。
ここから先は、一人。
「大丈夫…隊長……親父様…」
エースの帽子の入った鞄をギュッと握り締め、は船内に潜り込む。
(何か…おかしい、この軍艦)
は軍艦の異様な雰囲気に気が付いた。
海兵の姿が一人も見当たらないのだ。
じゃあ、この軍艦を動かしているのは誰なんだ?
(甲板が騒がしい……?)
海軍らしからぬ騒ぎ声がの元にも届く。
「誰がデカッ鼻だクラァ!!」
「赤っ鼻で丸っ鼻でアホっ鼻だお前はァ!!!」
誰かと誰かが揉めている声。
色々な物が飛び交ってる音もする。
「今の声は……」
揉めている声のかたほうには聞き覚えがあった。
は物音を立てないように慎重に扉に近付き外の様子を伺う。
「…!」
そして目に飛び込んできたのはアラバスタで出会ったあの麦わら帽子。
「麦わらのルフィ……!」
思わず声を上げてしまった。
「…ん?誰か呼んだか??ジンベエ!!」
「ワシじゃあない、船内から聞こえた声じゃったろう」
ジンベエと呼ばれたその大きな魚人は舵を離れ船内の扉を開ける。
(しまった……!けどもう逃げられない!)
は脇差しに手を伸ばす。
扉が開いた瞬間ジンベエに斬りかかった。
「何じゃ!」
しかしの最初の一撃はジンベエに受け止められてしまう。
「お前さんは何者じゃ…!その刺青は…!!」
は後方に飛び距離を保った後、左腕の刺青をマントで隠す。
「ジンベエ、誰かいたのか?……あ!!!お前!!」
「…!」
「何じゃい、お前さんの知り合いか?」
ルフィが現れた事でジンベエは拳を下ろした。
それを見ても刀を納める。
「お前!!確かエースの…!何でここにいんだ!?」
「……驚いているのは私もです、貴方が何故軍艦に?」
「とにかく二人とも外で話せ、周りが混乱しとる」
ジンベエに促され、も甲板へと出た。