pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第5章 クライガナ島
「ベローナ、黙ってて御免なさい」
「…!」
「私はこの人を救うために此処で鍛練を積んでいた」
の言葉にベローナは新聞をマジマジと見つめる。
「コイツって隊長だろ…白ひげ海賊団の」
処刑の場には数え切れないほどの海兵達や大将だっているんだろ?
お前は此処で一人でヒヒと毎日戦ってただけだろ?
そんなのどう考えたって……。
「…敵うわけないだろ!!!??」
新聞を投げ捨てる様に床に叩き付け、ベローナは叫んだ。
「ベローナ…」
「お前一人乗り込んだ所でどうなるってんだよ!!死ぬだけだろ?!へんっ!そんなに死にてェなら私が直々に殺してやるってんだ!!」
「ベローナ」
「馬鹿野郎!!…お前なんかっ!」
短い期間と言えど同じ場所で寝食を共にしてきた。
友とはまだ呼べないのかもしれないけれど、たった一人で過酷な戦場に飛び込むと言うをベローナはどうしても止めたかった。
死なせたくなかった。
「ありがとうございます…でも、それでも私は行かなくちゃならないんです」
「………」
「この人は私の隊長だから…助けるのが副隊長の務めです」
新聞を拾い上テーブルにそっと置いた。
公開処刑と言うことは裏を返せばそれまで隊長の命は
保証されていると言うこと。
ミホークの言葉は想像以上にを冷静にさせていた。
「副隊長って…!お前が…?!」
「みえないですか?」
「いや、そうじゃねェけど…」
「私には…特殊能力があるんです」
こんなに真剣に心配してくれているベローナには話しても良いと思った。
「特殊能力???」
「見せる方が早いから…すみません、失礼します」
「へ?」
はベローナに近付くと一瞬触れるだけのキスをした。
「おまっ…!//何すんだ!!…って?!それは…!」
ベローナは怒りにまかせてに怒鳴り散らそうとしたが、の周りに飛んでいるものを見て言葉を失った。
「突然失礼しました、これが私の能力です」
「それ…!私のゴーストじゃねーか!!」
フワフワとゴースト達は宙を舞いの体へと戻って行った。