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pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)

第5章 クライガナ島


「お前…能力をコピー出来んのか?」

「コピーと言う表現も間違っていませんが、ずっとこのままと言うわけではありませんから…」

「どういうことだ?」

「日暮れになればその能力も効果が切れ、私は何の能力も持たなくなります」

「じゃあその…ホロホロの能力も?」

「はい、あぁ…ほら日が沈みます」

窓の外を見れば今日の日が沈む。
それと同時にはゴーストを出せなくなった。


「だったら…尚更じゃねーかよ……お前、死ぬぞ」

ベローナは唇をきゅっと噛み締めて絞り出すように言った。
それでもの意思は変わらない。

「エース隊長は私の居場所だから、私はそこへ帰るだけなんです」


誰かから能力を貰わなければ自分は弱い。
役に立たない事もわかっている。

でも、ただ会いたいのだ。

あの太陽の様なあの人に私は会いたいのだ。


「ベローナ、私…明日此処を出ます」

その日の夕食はとても静かなものだった。
どちらも特に話をするわけでもなく、ただ食器の音が時折鳴るだけだった。

「ちょっと森へ行ってきます」

「…おう」

静かなベローナが気になりつつもはそのまま城を出た。

森の入り口に着くと一頭のヒューマンドリルの姿が見えた。

「お前は…」

子ヒヒの親であり、ヒヒ達のリーダー格であるあのヒヒだった。

「お前は賢いね…私が来ることが分かっていたの?」

はヒヒの背にもたれるようにして瓦礫に腰を掛けた。

「明日此処を出るよ、今日でさよならだ」

「キャホ」

「え?」

ヒヒは背中に持っていた刀をの前に差し出した。
その刀は廃墟にあったとは思えないほど美しさを保っていた。

「これは脇差し…?これをくれるの?」

初めて握る筈のその脇差しは何故かしっくりとの手に馴染む。

「…ありがとう、私頑張るよ」

鼻の奥がツンとする。
彼らと過ごした時間は必ず戦場で力になってくれる。


感謝の気持ちを込めてはヒヒを強く抱き締めた。








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