pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第5章 クライガナ島
「海賊、とだけ言っておきます」
「海賊?お前がか?」
「はい、ベローナは能力者なんですか?」
「へへん!ホロホロの実のゴーストプリンセスさ!…って私にばっかり喋らせてんじゃねーよ!ずるいぞお前っ!!」
「ベローナって可愛いのに…男らしいですよね」
その後もベローナからの質問は答えられる範囲で答え、答えにくい部分は笑って誤魔化すだった。
「ベローナは何処で休むのですか?」
「いやフツーお前が案内しろよ!住んでんだろ?!…丁度良い部屋見つけたからそこで寝る」
「部屋があるなら良かったです、ではお休みなさい」
ベローナに言われて気付く、自分は殆んど食堂と浴室と今向かっている寝室しか行き来していないのだ。
寝室は寝室でも元は鷹の目の寝室、このまま使い続ける事にも迷いはあったが他の部屋をどうにかする暇はない。
ベローナに挨拶をするとは静かにドアを閉めた。
「……変なヤツ」
ベローナは閉まったドアを見ながら首を傾げた。
翌日もその次の日もは毎日森へと出向きヒヒ達と鍛練を積む。
「キャホッ!!」
「くっ…!」
剣を受け止めてもまだまだ力では到底敵わず吹き飛ばされてしまう。
ただ、スピードには着いて行けるようになっていた。
瓦礫に叩き付けられ身体中には細かい傷がたくさん出来ていた。
「キャホキャホ!」
「これ位大丈夫よ、舐めれば治る」
新しく手の甲についた傷をはペロリと舐めた。
そして夕刻になるとベローナが呼びに来る、そんな日々が続いていた。
「これは…今朝の新聞?」
食堂のテーブルに置いてあった新聞を見つける。
「………、お前白ひげ海賊団なんだろ」
「ベローナ…」
「お前の腕の刺青と新聞に載ってるマーク、同じだから」
そう言われては新聞に目を通した。
記事には大きく“ポートガス・D・エース公開処刑”の文字。
「…!!」
思いもよらない記事だった。
目眩がしそうになる。
でも、今は違う。
これはエース隊長を助けられるチャンスなのだ。