pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第5章 クライガナ島
「では適当に寛いでいて下さい」
「ちょ…!オイ!!!」
呼び止めるベローナの声を背には森へと走って行ってしまった。
「何なんだアイツは……」
森の入り口にが辿り着くと何頭かのヒューマンドリルが瓦礫の上に座っていた。
の姿を見つけるとこの間助けた子ヒヒが駆け寄ってきた。
「キャキャ!」
「お前…」
子ヒヒは跳び跳ねる様にしての周りを回る。
そして徐にの背中によじ登り肩をトントンと指で触れる。
「肩…?あぁ!怪我なら大した事ないよ、大丈夫」
「キャキャ!!」
それを聞いた子ヒヒはピョンと背中から飛び降り群れへと戻っていった。
はヒヒ達に向かって声を掛ける。
「協力してくれてありがとう、よろしくお願いします!」
武器を構えるヒヒ達だったがこの間の相手を射殺すような殺気はない。
も同じ様にナイフを構えた。
森の入り口、瓦礫の山に剣を打ち合う音が響き渡る。
どれくらい打ち合っていただろう、気付けば星が空に登っていた。
「星…」
手を休めたはそれに気付いて空を見上げる。
薄く靄ががった隙間から見えた星。
空を眺めるなんていつぶりだろう?
「ー!!」
「ベローナ」
空を見上げていた視界にベローナが飛んで来る姿が入る。
「飯!出来たぞ!!」
「えぇ?作ってくれたんですか?」
「お前がやんねーからだろ!ったくなんで私が…客は私の方だろっ!」
「ごめんなさい、でも助かります」
「ぐ…!!」
悪態を突いた筈なのにこうも素直に謝られ感謝されるとベローナはそれ以上何も言えなくなってしまった。
ヒヒ達にまた明日と別れを告げるとベローナとは城へと戻った。
風呂に入り疲れを流した後、二人で食卓を囲む。
「なぁ、お前は何モンなんだ?」
「私、ですか?…言ったじゃないですか、です」
「名前はもう知ってんだよ!そうじゃなくて何処のドイツだって話してんだよ」
「うーん、それはまだ内緒にしておきましょうか」
「はぁー?!」
の返答が気に入らないのかベローナは思い切りを睨む。