pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第5章 クライガナ島
翌朝、は大きな音で目を覚ました。
何かが城に落ちたような音。
「…この上だ」
はベッドから飛び降り城の上部へと向かった。
敵か?
それともヒューマンドリルか?
何にせよ確認しなくては。
「何…あれ……ん?」
城のテラス部分に見つけたのは大きな熊の手形の様な跡だった。
その中心部分に人影が見える。
(女の子…?)
気を失っているのか微動だにしない。
「大丈夫ですか?」
トントンとは肩を叩き起こそうとする。
ピンク色のツインテールに頭には王冠。
白い肌にとてもよく似合う女の子らしい服を着ていた。
「ん…」
「あ、気が付いた…?」
「うっきゃーー!!だ、誰だ!てめェ!!」
「え」
顔に似合わずなんという言葉づかいだろう。
「貴方は飛ばされてきたのですか?」
「そうだよ!あンのくま野郎!!あんなヤツモリア様にかかれば簡単に倒せるってのに!!モリア様ァー!クマシー!ここドコォー!!うわぁーん!!」
言いたいことだけ言い切ると目の前のピンクの彼女は泣き出した。
は冷静に彼女の言葉を頭の中でリピートしてみる。
(くま…?モリア…?くまって、まさかバーソロミュー・くまの事か…?)
「私は、ここはクライガナ島の城です…訳あって仮住まい中と言うか…」
「なんだ仮住まいって」
「いや…」
「お前も他所から来たって事か?」
「はい、まぁ…そうですね」
敢えてはミホークの名を言わなかった。
さっき聞いた名前、『くま』『モリア』は間違いなく七武海。
ミホークの名を出してややこしい事になるのは避けたかった。
「…貴方は?」
「私はベローナだ!スリラーバーグのゴーストプリンセスだ!ホロホロホロ…スリラーバーグ…帰りたいよー!!うわぁーん!」
ベローナと言う彼女は突然宙を舞いだしたかと思うとまた泣いている。
偉そうだったり突然飛んだり泣いたり、いっそ起こさなかった方が良かったのではないか。
「とりあえず落ち着くまで下で休んでください、私は森へ行ってきますから」
「森?」
「はい」
彼らと約束したわけではないけれど来てくれる気がしているから。
ベローナを下の部屋まで案内するとは森へと向かった。