pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第5章 クライガナ島
しばらくするとヒヒ達から殺気が消えた。
「……攻撃、してこないの?」
「ウホォ!!!」
リーダー格と思われるヒヒが雄叫びをあげると周りのヒヒ達は森の奥へと帰って行った。
そのヒヒの肩には先程の子どものヒヒが乗っている。
何となくだけれど、通じ合えた…?
子どものヒヒを見つめる目はとても優しい。
きっと彼があの子どもの親なのだろう。
(言葉が通じるとは思えないけど………でも)
「私、強くなるために貴方達と修業したいの…お願い出来る?」
「……」
ヒューマンドリルは黙ったままの言葉を聞いていた。
そしてそのまま静かに森の奥へと消えていった。
(わかってくれたといいんだけど…明日もう一度此処へ来よう)
投げたままのナイフを回収してはミホークの城へと戻った。
傷の手当てもそこそこにはベッドに倒れ込む。
そう言えばこれは鷹の目のベッドだが使って良いのだろうか。
(他にゲストルームを探すのも大変だしな…)
キングサイズの大きなベッドのあるこの部屋と食事室の行き来しかしていない。
城中を駆け回る気力がどうやらにはもう残っていないらしい。
(…色々あり過ぎて……頭が割れそうだ…)
黒ひげとの戦い。
エース隊長の投獄。
鷹の目は七武海の召集で海軍に呼ばれたと言っていた。
「親父様は…もう動きだしているのだろうか……」
『全面戦争だ』
ミホークの言った言葉を思い出しの背中はゾクリと粟立った。
(今はあれこれ考える時じゃない…強くなる方が先だ…)
「エース、隊長………………」
柔らかなベッドはの溜まった疲れを一気に取り除く。
それと同時に睡魔も運んでくる。
はその睡魔に抗えずユルリと瞼を閉じた。