pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第5章 クライガナ島
自分が眠っていた2日の間に黒ひげが動いてしまった。
インペルダウンの話は親父様の船で聞いた事がある。
投獄されたら最後と言われる世界一の海底大監獄。
でも、それでも。
「…行かなくちゃ」
扉へ向かうの背をミホークは目を細めて見ていた。
「忘れ物だ」
「…!」
カランと音を立てての足元にナイフが転がった。
が普段脚に隠しているナイフ。
グリフッドを仕留めたナイフでもあった。
ナイフを拾い上げようとするにミホークは現実を突き付ける。
「そんなナイフ1本でインペルダウンに乗り込むと言うのか」
「………」
「お前は悪魔の実の能力者か」
「………いいえ、違います」
先程メラメラの能力の効果が切れた事を確認した。
ナイフを失ってしまえば文字通りは丸腰だ。
「はっはっはっ!それでインペルダウンに乗り込むつもりか!」
ミホークは大きく口を開けて笑った。
「万一忍び込んだ所で虫ケラ一匹、犬死にだ」
「…貴方は七武海、政府の人間でしょう!!」
はミホークを睨み付けた。
「政府の人間になったつもりはないが、これから召集に応じるのは確かだ」
「召集…?」
嫌な予感がした。
「白ひげが動くと政府は読んでいる」
「……!」
「全面戦争だ」
海軍と親父様がぶつかる。
の嫌な予感は的中、ミホークの口から淡々と語られた。
ミホークは帽子を被り黒刀を背に持つとを真っ直ぐに見据えた。
「勝手に犬死にするのも自由だが…今のお前が真っ当な判断が出来ているとは思えん」
「……鷹の目」
「言えるのは『まだポートガス・D・エースは生きている』と言う事だ」
「…!!」
頭の中のゴチャゴチャしたものが全て流れた気がした。
エース隊長は生きている。
だったら私がすべき事は何だ。
何の能力も持たないままナイフ1本でインペルダウン乗り込んで死ぬ事か?
「ごめんなさい、隊長…」
少し遅くなるけど、必ず貴方を助けに行きます。
私がすべき事は能力のない今の状態でのスキルアップだ。
「頭が冴えたら見届けに来ると良い、これは此処に置いておく」
サイドテーブルにミホークはマリンフォードへのエターナルポースを置いた。