pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第4章 パナロ島
足が動かない。
あの男はヤミヤミの実の能力者だと言ったのか…?
嫌でも思い出してしまう、あの辛かった過去を。
「グリフッドと…同じ闇………」
手が震え出す。
闇の恐ろしさは嫌と言うほど見てきた、肌で感じてきた。
エースの叫び声では我に返る。
「ガフッ!!!」
二人の戦闘に目を向けると瓦礫の中に投げ付けられるエースの姿が飛び込んできた。
「隊長!!」
は急いでエースに駆け寄ろうとするが、それをエースが制止する。
「来るな!!」
「ゼハハハ!女に心配されちまうなんて情けねェよなァ?」
能力者に対して絶対的な攻撃力を得たのだとティーチは声高らかに語った。
「……捕まらなきゃいいんだろ」
「闇の引力からは逃げられねェと証明した筈だ!!闇水!!」
再びエースの体がティーチに引き寄せられる。
引き寄せられる中でエースは体勢を整え炎を繰り出した。
「神火、不知火!!」
炎の槍がティーチに突き刺さると同時にティーチの拳がエースの顔を捉えた。
「ぐ…!首の骨がイカれちまう!!厄介な力を手に入れやがって…!ハァ…!」
首を押さえながらエースは歯を食いしばった。
そして指を重ね、ティーチに向ける。
「十字火!!」
ガクンとエースは膝をつく。
こめかみや口からも血が流れていた。
「エース隊長!」
「…!…来るなと言っただろ!!」
「すみません、命令違反です」
そう言うとはティーチも前に立ちはだかった。
そして先程のエースと同じ様に指を重ねる。
「ゼハハハ!!お嬢ちゃん何の真似だ…?エースの真似事かァ?その綺麗な顔を近くで見せてくれよ!」
「!」
闇の引力ではティーチの元へと引き寄せられていく。
「何の能力か知らねェが!言っただろう!おれァ悪魔の実の能力を防御不能にする!!」
そのままは胸ぐらを掴まれてしまった。
だが、は焦らない。
「貴方の能力は良く知っています、再生した実を貴方みたいな人が食べてしまったのは残念です」
「あァん?!」
「十字火」
小さく呟いたの指から炎の十字架が放たれティーチに直撃した。