pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第3章 過去
「エース!」
「、お前はウチの隊だ」
「…?」
「二番隊副隊長の位置に就く、すげェだろ!」
エースの発言には目を丸くして驚いた。
入ったばかりで副隊長?
そんなの許されるはずがないのに。
「副隊長っつっても隊長補佐みてェなもんだ、俺の補佐」
「補佐、ですか…」
「エースがそれしか嫌だって駄々捏ねたんだよい、ガキみてェだったよな?」
マルコが笑いながらエースに向かって言う。
「ガキじゃねェよ!…ったく、とにかくそう言うこった!明日からは俺の隣だ!」
ニカッと笑うエースにはただ頷くしかなかった。
「よろしくお願い致します…エース、隊長」
「俺がお前の…………!」
………
…………………
……………………………
「…いっ!おい!!」
「!」
目を覚ますと目の前に肉を差し出したエースの顔があった。
(夢…ひどく懐かしい夢だった……)
ここはアラバスタから少し離れた小さな無人島。
確か火を起こしていて、隊長が獲物を捕りに行って、それから…。
「寝てしまったみたいです」
「見りゃわかるっての、ホラ!固くなる前に食え!」
はエースから肉を受け取ると一口かじって食べる。
「猪ですか?」
「おう、うめェだろ」
焚き火を囲んで二人で肉を頬張る。
は口一杯に頬張るエースを見て、先程の夢でマルコがエースをガキみたいと言った事を思い出していた。
一通り食べ終えた所でが口を開いた。
「夢を見ていました」
「夢?」
「私が白ひげ海賊団に入れていただいた時の夢です」
夢が覚める前に隊長が掛けてくれた言葉。
忘れていたわけではないけれど改めて胸に響いていた。
『俺がお前の居場所になってやる!』
居場所を無くした私の居場所になると言ってくれた隊長。
それが今では生きる意味に変わるほど大きなものになっていた。
隊長は命懸けで守り通す、それが私の生きる意味。
「またズイブンと懐かしい夢だな…あー!思い出したらムカついてきた」
「え?」
あの時の流れの中にムカつく様な思い出があっただろうか。
はエースを見つめて首を傾げた。