pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第3章 過去
は落ち着いた声で口を開いた。
「効果はその日の日没まで…日没後はまた次の能力者との接触が必要です」
「てめェ以外にその能力を持ったヤツァいんのか?」
白ひげの問いには悔しそうに唇を噛み締めた。
一族の皆はいない、村ももうない。
「いいえ…私一人です…」
「海の悪魔の化身か…」
「…………」
「今後はウチの刺青を背負って生きろ、それでてめェはもう俺達の家族だ…」
「……!」
「てめェ等!!良く聞け!コイツァ今から仲間だ!!手ェ出すんじゃねェぞ!!」
「「「オウッ!!!」」」
白ひげの一声で場はまとまり、船は普段の姿を取り戻した。
が所属する隊は追々決める、そう言う事になった。
その夜、は甲板で一人海を眺めていた。
(家族と言っていた…気を許しても良いのだろうか……?)
海に答えを求めても波はただユラユラと揺れて形を変える事を繰り返すだけだった。
はそっと目を閉じた。
(父様、母様……)
島はどうなっているだろうか、父や母の亡骸もそのままに連れ去られてしまった。
にはこうして海に祈る事しか出来ない。
「こんな所にいたのかよい」
「……マルコ、隊長」
が振り返るとマルコがこちらに近付いてくるのがわかった。
マルコには船から降ろしてくれと言った手前、顔を合わせにくいと思うところがあった。
「どうであれ…俺はお前が船に残って良かったと思ってるよい」
「………」
「まぁ、俺が見抜けなかっただけだ」
そして見抜いたエースがそれを止めた、それだけだ。
マルコはフッと笑い視線をに向けた。
「一つだけ、聞かせてくれ」
マルコの脳裏にはグリフッドの船で初めてと出会った時の事が過っていた。
「あの時お前は『光』と言ったよい、あれの意味を教えてくれ」
「光…?」
はマルコに言われて思い出そうとするが、思い出す事が出来ずにいた。
「覚えてないのかよい?」
「…はい」
「そうか、ならいいよい…あぁ、お前の隊だが…」
マルコがそう話を進めようとした時、マストの上の見張り台から突如人が飛び降りてきた。