pieces.~海の悪魔の化身~(ONEPIECE)
第3章 過去
その頃、甲板では白ひげ海賊団が圧倒的な強さを見せ付けていた。
「さァ…そろそろ終わらせるよい」
白ひげ海賊団一番隊隊長のマルコの一声で海賊達は敵を次々に仕留め出す。
「マルコ隊長!!船が沈み始めています!!」
「船が…?チッ…おめーらァ!!引き上げだ!!」
「「「おぉっ!!」」」
その時甲板の床が割れ黒い靄が勢い良く噴き出した。
(この船にはグリフッドが…ヤミヤミの実は厄介だよい)
マルコの見つめた先に闇を纏った人影が見えた。
「お出ましかよい……ん…?何だ…?」
グリフッドと言う男は大柄な男だと聞いていた。
だが、どうなっている?
マルコの目の前に現れたのは虚ろな目をした美しい少女。
だが確かに彼女の体は闇の力を纏っている。
「…解放(リベレイション)!!」
「!?」
がそう叫ぶと闇の渦から船の瓦礫が放出される。
何者かはまだわからなかったがマルコはを『危険』と判断し炎を身に纏った。
の目がマルコを捉える。
「ひか、り…………」
目が合ったかと思うとはそのまま倒れて意識を失ってしまった。
「ちょっ…おいっ!!?」
「マルコ隊長!船内でグリフッドを確認!!…既に息絶えています!」
「…!?」
部下の報告を聞いて視線をへと向ける。
まさか、コイツが?
マルコの頭にはそう過る。
グリフッドを倒してヤミヤミの実を喰った?
いや、悪魔の実が再生するには幾らなんでも早過ぎる。
それに同じ場所に再生して現れる確率なんてどれ程低いものか。
「マルコ!撤退だ!戻れ!!」
モビー・ディック号からビスタが声を掛ける。
沈み掛けの船の甲板に倒れている少女。
コイツが何者なのか…。
『ひか、り………』
あの時、一瞬安堵の目を見せた。
マルコはを抱えて船に戻る。
(吉と出るか凶と出るか…!)
これが、が白ひげ海賊団に身を置くきっかけとなった。