第1章 帰国 そして高校へ

んーこっちかな、あっ、あった！

ダンッダンッ

ボールの音が聞こえる。


ぅぅー…早くやりたい！

ガチャ

｢おーい！チンタラすんな！｣

｢パス！｣


おわぁ、やってるやってる！あれー、でも、女バスがいないなぁ...


まぁ日曜日だし...

｢ん？どうしたの？｣

ショートカットの女の先輩が話しかけてきた。

｢え、あ、あの、女バスって今日練習ないんですか？｣

｢女バス？うちの高校女バスないよ？｣

｢えぇえ！！？？｣

｢知らなかったの？もう、6月だけど...｣

｢明日、転校してくるので…｣

｢転校生！？...バスケ好きなの？｣

｢はい！好きです！...女バスないんですか…｣

せっかく日本に帰ってきたのに...

｢あぁー…男バスのマネでもやる？｣


マネ！？
マネージャーか

私の親友も男バスのマネージャーだったなぁ
出来るかなぁ…

｢やりたいです...けど…上手くできるかわかんないですけど...｣

｢ほんと！！？うちの男バスマネいなくて困ってたの。｣

｢一人でマネやられてたんですか？｣

｢ん？私はマネじゃないよ｣

｢え？｣

どゆこと？


｢かんとくーー！休憩入ったよー｣

男バスの一人が女の先輩に言った。


｢か、監督！！？｣

｢そう、男バスの監督をやっている相田りこ！あ、あっちにいるのは顧問。｣

りこ先輩が指さす向こうにはおじいちゃん。


｢あ、黒澤彩です！これからよろしくお願いします！｣


｢彩ちゃんね、うん、よろしく！｣