第1章 平和な日々の終わり
望の体は、救急隊員達に担がれ消防車に乗せられた。
「それじゃ、俺は行って来るから魅湖達は家に居てくれ。」
雄哉は呟き、救急車に乗り込んだ。
望を乗せた救急車はサイレンを鳴らし発車した。
「お母さん大丈夫かな・・・。」
さとりが心配そうに呟いた。
「大丈夫ですよ。」
魅湖がさとりに呟いた。
魅湖達は家の中に戻り、雄哉からの電話を待ち続けた。
ジリリリリ・・・ン。
古森家の電話が鳴った。
「はい、古森です。」
さとりが電話に出た。」
「さとりか? 雄哉だ。」
雄哉がさとりに。
「それで、お母さんはどうなの?」
さとりが雄哉に尋ねた。
「心配ない、ただの過労だ。」
雄哉がさとりに。
「過労・・。」
さとりが呟いた。
「ああ、だから2、3日入院する事になったから母さんの着替えなどを持って来て欲しいんだが、用意してくれるか?」
雄哉がさとりに呟いた。
「それで、お母さんは何処の病院に搬送されたの?」
さとりが雄哉に。
「南神戸大学病院だ。」
さとりの問いかけに雄哉が答えた。
「美波神戸大学病院ね、わかったわ。」
さとりは呟き、電話を切り望の部屋へ足を運んだ。
数分後さとりは、紙バックを持って降りて来た。
「さとりさん、それでは行きましょうか。」
魅湖がさとりに。
「え? でも、誰かが家に居ないと。」
さとりが魅湖に呟いた。
「・・そうですね、それでは私が残りますので、さとりさんとこいしさんは南神戸大学病院へ行って来てください。」
「でも、私達では・・。」
こいしが呟いた。
「それでは、式神に乗って行ってください。」
魅湖がこいしに。
「よろしいのですか?」
さとりが魅湖に尋ねた。