第1章 平和な日々の終わり
「出番って、何お出番ですか?」
美鈴が美琴に尋ねた。
「何って、美鈴の結婚よ。」
美琴が美鈴に。
「か、母さん ・・・私は、結婚なんて・・。」
美鈴が美琴に呟いた。
「あら? 小牧家を美鈴の代で終わらせるつもり?」
美琴が美鈴に。
「あ、それとこれとは・・。」
美鈴が呟いた。
「とにかく、美鈴もそれそうとうの覚悟が必要よ。」
美琴が美鈴に。
「それは、そうだけど・・・。」
美鈴が呟いた。
翌日の朝、美鈴は神社の境内に居た。
本来なら、双子とはいえ先に結婚するのは姉である自分なのだが、先に結婚したのは双子の妹に魅湖なのだ。
その為、美鈴にも焦り出始めたのかも知れない。
「結婚か・・。」
空を見上げながら美鈴が呟いた。
時刻は10時を過ぎていた。
「こんにちは。」
声を掛けて来たのは、渡部美玖であった。
「お母さんは御在宅ですか?」
美玖が美鈴に声を掛けて来た。
「どなた様ですか?」
美鈴が美玖に尋ねた。
「私は文化庁の渡辺美優です。」
美優が美鈴に。
「それで、文化庁の方がどのようなご用件でしょうか?」
美鈴が美優尋ねた。
「この神社の神職にお会いたいのですが。」
美優が美鈴に。
「神職様は、ただ今御不在です。」
美優に向かって美鈴が呟いた。
「そうですか、ではいつ頃戻られますか?」
美優が美鈴に。
「さあ、私にはわかりかねます。」
美鈴が美優に呟いた。
「そうですか、今日のところはこれで失礼しますね?」
美優は呟き、小牧神社を後にした。
「ふう、一度社務所に戻ろう。」
美鈴は呟き、社務所へと足を運んだ。
「あら、境内の掃除は終わったの?」
美琴が美鈴に。
「あれ、お母さん・・今日は・・。」
美鈴が美琴に。
「朝から? ああ、あれ私の勘違いでは明日なの。」
美鈴の問いかけに魅美琴が尋ねた。