第3章 Bloody dragon
エスメラルダはタートス島に着いた。
全身がすっぽり覆われるような黒いマントを羽織りフードまでかぶる。
「ここがタートス島かやはり海賊もいるな・・・。」
エスメラルダは街へ向かう。
そして一軒の酒屋へ入る。
「いらっしゃいませ・・・。」
エスメラルダの異様な雰囲気に店員は驚く。
「あの・・・何にしますか?」
1人の店員がエスメラルダに近づく。
エスメラルダはフードをとり店員に
「酒屋に入って悪いがお茶でいい。すまないね、酒を飲む暇はないんだ。」
と言った。
「お・お茶ですね。緑茶でよろしいでしょうか。」
店員はビクビクしながら言う。
「あぁ、暖かいもので頼むよ。」
「は・はい。かしこまりました。」
店員は下がった。
店のそこらじゅうからエスメラルダへ視線が注がれる。
「おい、あいつはブラッディドラゴンじゃねぇか?」
「ほんとかよ。」
「まじで!うわこっち見た。」
「バーカ、てめぇなんて誰も見やしねぇよ。」
エスメラルダは窓の外を見る。
その時店のドアがバンと音を立てて開いた。
「あ・いらっしゃいませ。」
それはアルファ海賊団の船長アルファザットだった。
「おい、ここに4億1000万の賞金首、ブラッディドラゴンがいると聞いたが・・・そいつはどこだぁ?」
アルファザットは外を眺めるエスメラルダに近づく。
「よう、ねえちゃん。お前だろ?ブラッディドラゴンはよぉ。」
エスメラルダは見向きもしない。
「いい度胸じゃねぇか。俺様を誰だと思ってるんだぁ?あのアルファザット様だぞ。」
そう言ってエスメラルダ目がけて拳を振る。
だがエスメラルダはよけてかわした。
「なんだ、私に話しかけていたのかい?気付かなかったよ悪いね。」
アルファザットは怒りもう一度拳を振りかざす。
「馬鹿にしやがってぇ!」
ガッシャーン
アルファザットが店の窓を割った。
「おいおいおい。私に当ててくれないか?店に損害がでるだろう?」
「いいさ、当ててやるよ!!」
3度目はさっきとは違う場所を狙ってきた。
だがそれを悉くかわしアルファザットの拳はテーブルを破壊した。
エスメラルダはアルファザットの額に人差し指を突きつける。
「言ったよな、店を傷つけるなと。」
≪テンぺード・ミザ・フェイト(眠りし龍)≫