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光と闇に潜む龍【サボ】

第8章 Love


(私は愛を知っている。)

_キエテイク_

(私は愛を望んでいる。)

_ヤメロ_

(私は愛されている。)

_ヤメロォォ!!_

(私は・・・)

「サボ、お前を愛してる。」

_グァァァァァァァ_

微風は叫びと共に消えた。

一片の赤い花びらを散らして・・・。

エスメラルダは倒れた。

もう・・・影の脅威はない。

その安堵からか体の力が抜けていく。

愛を認めた。

愛なんて怖くない。

今まで以上に愛されたい。

心の中はそれでいっぱいだった。

「エスメラルダ・・・。」

サボは駆け寄り意識のない彼女を抱き上げた。

「俺も・・・愛してるよ。」

どんな誰よりも・・・お前だけが・・・。

まさかな結果だった。

エスメラルダは影に勝った。

愛を知ることで、認めることで。

「サボ君!凄い音したけど何があったの?」

コアラがかけてきた。

「・・・エスメラルダの影が襲撃してきた。」

「へ?どういうこと?」

「こいつが目ェ覚ましたら聞けよ。」

「気絶してるの?」

「・・・。」

サボは答えずにエスメラルダを自分の部屋に運んだ。

もう一度言ってほしい。

愛してるって・・・。

目を見て俺だけに聞かせてほしい。

「・・・・・んんん・・・。」

エスメラルダは意識を取り戻した。

サボはそっと近寄る。

そして・・・

「ん・・・。」

優しく口付ける。

「んぁ・・・サボ・・・・・どうして・・?私は・・・。」

さっきの言動を思い出し赤くなる。

「おい、何赤くなってんだ。」

「んでもない・・・。」

可愛いな・・・。

「なぁ、もう一回言ってくれ。」

「何をだ?」

「愛してるって。」

また赤くなる。

「いいいいい言わなきゃダメか?」

「言えって!いいだろさっき普通に言ったし。」

「あ・愛し・・・てる・・・。」

「俺も!」

サボはエスメラルダを両手で優しく包み込んだ。

あぁ、溶かされていく・・・。

凍ってしまった心が溶け始めていく。

「サボ・・・。」

「何だ。」

「・・・っ、こっち向け。」

「え・・ん・・・・。」

エスメラルダが口付けてきた。

「お前からするなんてな・・・。」

「・・・悪いか?」

「いや、別にっていうか嬉しいな。」

「眠い。」

「わりぃ、今日はここで寝てくれ。」

「おやすみ。」
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